退職者（アルムナイ）と企業の新たな関係をつくる『YELLoop』
こんにちは！マイナビ転職 公式note編集部です。
退職を経験した方の中には「前職とはスパッと縁を切った！」という方もいれば「仲が良かった同僚や上司とつながっている」という方もいると思います。
退職理由や想いは人によって異なりますが、近年キャリアの多様化が広がる中、退職者が企業とのつながりを維持することのメリットが注目を集めています！
今回は、そんな「退職者（アルムナイ）」と企業をつなぎ、新しい関係づくりを支援するコミュニティサービス『YELLoop（エーループ）』をご紹介します。立ち上げから関わる事業責任者の松井さんにお話を伺いました。
『YELLoop』とは
組織とアルムナイの新しい関係づくりを支援するコミュニティサービス
アルムナイと在籍者のコミュニティづくりが実現できる運用管理システムとコンサルティング支援をワンパッケージにしたサービスです。「YELLoop」は、組織とアルムナイの新しい関係づくりを支援し、コミュニティの好循環を生み出します。
終身雇用が崩れ、注目を集める「アルムナイ」
一度退職した人が再入社した際、かつては「出戻り入社」と呼ばれることが多かったですよね。いまも耳にする言葉ですが、やはり「出戻り」だとネガティブなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
一方、採用の場でよく聞かれるようになった「アルムナイ」は「卒業生」「同窓生」といった意味を持ち、人事領域で使われる場合「企業を離職・退職した人」のことを指します。
これまで日本は終身雇用が主流で、同じ企業に勤め上げて定年退職し、「OB・OG」になることが普通でした。辞めた方は、どちらかというとネガティブな目で見られていたかもしれません。しかし、今は多くの方がキャリアアップや独立など前向きな理由で「ポジティブな退職」をしていると思います。
そんな退職者と、在籍していた会社をつなぐことで、双方にとって大きなメリットが生まれると感じてアルムナイコミュニティサービス『YELLoop』を立ち上げようと考えました。
つながりをきっかけに、退職者に仕事を発注
「え！あの人、辞めちゃうの？残念…」。そう職場で感じた経験のある方もいると思います。私もその一人。優秀なのに、独立や新たなキャリアを目指して会社を離れていく。そのたびに「もったいない」と感じていました。縁が切れるのは、あまりにも惜しいなと。
だからこそ、私は退職した人と個人的につながりを維持しているのですが、実はそのつながりを活かして『YELLoop』のWebサイトやロゴ等は退職した元同僚に作ってもらいました。その方にとっては「かつて在籍していた会社」が「クライアント」になり、私からみれば、彼らのスキルや得意なことを知っていますし、会社のこともわかってもらえている。関係性ができている「話が早いパートナー」でもあるわけです。
『YELLoop』のサイトやロゴをみた社員から、「コレ、どこにお願いしたの？今度紹介して」と聞かれ、新しい仕事にも発展しています。つながりを持っておくことで、退職した方も、会社にとってもメリットが生じた瞬間でした。
一方で「仲が良かったから退職後もつながっている」という個人の関係を企業側は把握できません。これを会社主導で把握し、こういった仕事の依頼や情報共有、採用などに役立てられるのが『YELLoop』なんです。
“ネガティブな退職”でも、つながりを絶つのは待って
立ち上げの初期段階で、退職を経験した人を対象にリサーチを行いました。退職をポジティブに捉えている人はどれくらいいるんだろう？3割くらいかな？と考えていましたが、実際は5割に達していて驚きましたね。
もちろん、退職の理由は人それぞれ。「キャリアアップのため」「家族の転勤に伴って引っ越す」「介護で忙しい」などの理由で辞めた方は、会社が嫌いになったから辞めたわけではありません。こうした方々にとって、退職後も会社と「やんわりつながっておく」ことのハードルは実は高くないと考えています。
一方で「上司と合わなかった」「評価制度に不満があった」など、ネガティブな退職理由もあるでしょう。しかし、上司が異動・退職する可能性もありますし、代表や役員が変わって評価制度が改善されるかもしれない。新しい会社に来てみたけれど、思っていた環境と違う…これなら元の会社のほうが良かったと感じる可能性もあるかもしれません。
YELLoopに限らず、企業とアルムナイのつながりを維持することで、採用情報が掲示された際にアルムナイが情報を得やすくなり、カムバック採用が実現することだってありえます。採用に限らず、元いた会社と今いる会社が取引先になったり、あるいはアルムナイ同士で情報交換がなされ、ビジネスプロジェクトが始動するといった未来もあるかもしれません。
「前の会社に戻る」を「ごく普通のこと」に
退職を考えている方にひとつお伝えするとしたら、今在籍している会社にアルムナイ採用の実績があるかどうか、アルムナイに対して会社がどんなイメージを持っているかを、できる範囲でリサーチしておくといいかもしれません。
アルムナイを受け入れる風土があれば、今後キャリアの選択肢のひとつになります。会社側としてもアルムナイは即戦力ですし、人となりもわかっているので安心でしょう。働き方の選択肢が多様化している今だからこそ、退職者も会社も「つながりを維持すること」「戻ってくること」を、ごく普通のことと捉えてほしいですね。
今後『YELLoop』には、コミュニティがより活性化するよう、さまざまな機能が増えていく予定です。参加している方々がいろいろな価値を感じることができ、「ゆるくつながっておいてよかった」と思ってもらえたら嬉しいです。
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