【マンガあり】人間関係や給与…ネガティブな転職理由って面接で言ってもいいの?
【イラスト:うかうか】
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転職の面談に関してよくある質問の1つに「転職理由」があります。前職のすべてに納得しているのであればそもそも転職しないため、何らかの理由はあるものの、果たして何を答えれば良いのか? どう伝えれば良いのか? 転職者側としては悩ましく感じる質問かもしれません。
今回は面接での転職理由の伝え方を整理してみましょう。
■なぜ人事は転職理由を聞きたいのか
そもそも、なぜ人事は面接時に転職理由を聞くのでしょう。それを端的に表現するのであれば、お互いの求めているものをすりあわせることで、長期的な就労が可能かどうかを確認するためです。
転職が人生にとって重要な決断であるのは当然のことですが、企業にとってもまた、大きな投資であるといえます。「自社にとって必要かつ“魅力的”な人」を採用したいという思いのもとで人事は採用活動をしていますし、入社いただく方には長く活躍してほしいとも思っています。
求職者である皆さん1人ひとりが、性格もこれまでの経歴も、仕事選びのポイントも異なるように、企業もまた十人十色でありそれぞれ風土やカラーがあります。さらに、その時々で求めているポジションも異なります。転職理由に限らず、面接での質問ややりとりはすべて、お互いを理解することで、双方にとって“魅力的なのか”を確認するためのものです。
「転職理由」は、仕事を変えるという大きな意思決定のバックグラウンドですので、働くうえで皆さんが大切にしたいことが強く反映されます。転職した先でも同じ状況が生じてしまうことは、皆さん自身にとっても不幸なことですし、長期的に働いてほしい・活躍してほしいと思っている企業にとっても望ましい状況とはいえません。ですので、皆さんの転職理由をあらかじめ確認することで、「自社で同じ不満を感じることが無さそうか」を見定めるために、質問するのです。
■転職理由を伝えるとき、意識するべきこと
先ほどお伝えしたとおり、面接を担当する側としては「自社で同じ不満を感じることが無いか」という部分をとても気にしています。ですから、求職者側としては、企業側に「その心配は無い」ということを伝えるのがポイントです。
とはいえ、そもそも転職理由は、自分が前職で満たされなかった要因そのものです。「給与が低い」「勤務先との距離が遠い」「残業が多い」「人間関係が悪かった」「仕事内容に不満がある」など、自分にとってネガティブな理由であると、どう伝えていいか難しく感じるかもしれません。
転職理由を伝える際は下記の2点を意識してみるといいでしょう。
1. 客観的な事実をもって説明する
2. 転職の理由を2~3個に絞って説明する
まずは「客観的な事実をもって伝える」こと。退職を決断するだけの状況であったと、その選択の妥当性を感じていただけるように説明できると「自社の環境であれば不満を感じることは無さそうだ」と面接官も安心できるでしょう。妥当性を感じてもらうためには、自身の感情と事実をしっかりと分け、客観的に数値化したり状況を描写したりしていくことが大切です。
また、1つの理由ではなく、複合的な理由で退職を決断されていることも多いかと思います。その際のポイントは、取捨選択をして、重要な点について話すことです。
複合的な理由が背景にある場合、1つのみを話すと「それだけのことで」と思われてしまうかもしれませんし、逆に多すぎると「不平不満を持ちやすい人」と感じられ、「自社でもさまざまな不満を持ってしまうのでは」と不安にさせてしまう危険もあります。
面接官に退職の妥当性を感じていただくためにも、多すぎず少なすぎず適切な説明となるよう、理由を選択したいところです。まずは1度、思い浮かんだものを書き出してみましょう。なかでも重要な要素2~3個に絞って説明すると良いと思います。
■ケース別・転職理由の伝え方のコツ!
よくある理由別に、伝えるうえでのポイントを確認していきましょう。
・「残業が多い」「業務過多」などの理由
できるだけ数値を入れて伝えましょう。面接時に「たくさん」「長時間」「頻繁に」などの表現をされる方がいますが、これらはすべて主観が残る表現です。
どれくらいの時間・回数でそう感じたのか、どのような状況だからそう判断したのかが見えないと、「自社の状況でも、この人は残業が多いと感じるのかもしれない」と人事側には不安が残ってしまいます。「月○時間」「週に○回」「~件を○人で処理」など、客観的に周囲が理解できるよう伝えるといいでしょう。
・「通勤時間が長い」「私生活とのバランスが取れない」などの理由
まずは上記と同様に、客観的な状況を説明し、そのことが自身にとって重要であるという背景も説明します。面接官に「自社でなら同じ理由での転職にはならなそうだ」と安心してもらうことが大切です。
もし子育てや介護との両立などが背景にある場合は、「欠勤が多くならないか」「業務を全うできるのか」なども人事側としては不安に感じるところです。転職理由の直接的な説明とは異なりますが、「過去の勤怠など客観的な情報を提示する」ほかにも、「社会的資源を活用するための準備ができていること」や「周囲のサポートがあること」など、転職することで改善する可能性が高く、安定して勤務可能であると明確に説明できるよう準備しておきましょう。
なお、趣味のためなどの理由は注意が必要です。採用は投資ですので、「仕事を頑張る意欲がありそうか」も評価されます。絶対にNGとは言いませんが、仕事を全うする意識を相手に感じてもらえる説明になっているかどうかも意識してみてください。
・「給与を増やしたい」「待遇をあげたい」などの理由
給与や待遇の改善を狙っての転職活動の場合は、客観的な事実とあわせて、キャリアアップやステップアップへの意欲、仕事を通して成し遂げたいことなど、仕事に対する前向きな気持ちも伝えられると良いですね。「変わらないことへの不満」に留めず、転職した先で頑張りたいという意欲やその先の目標を伝えられれば、相手に前向きな印象を残すことが可能です。
■ネガティブな印象を与えうる理由とは?
・「人間関係がうまくいっていない」「上司と馬があわない」などの理由
気を付けたいのが、人間関係を理由とするケース。客観的に状況を説明しても、受け取る側の価値観が反映されるため、評価が一定ではなく、変わりやすい傾向にあります。また人事としても「自社の社員とうまくやってくれる」という確証は持てないことから、安心して採用することができないという事情もあります。
パワハラ・セクハラなどの事情があったという場合も、月1~2人の退職者が出ているなど自身の体験以外の説明要素がある場合は納得感を得やすいのですが、関係性の中でのトラブルである以上、転職者側の「性格や関係構築力」を懸念される可能性が残ってしまいます。これらに問題がないことを客観的に説明することが難しいため、やはり伝え方にはかなりの配慮が必要です。
ほかにお話できる理由があれば、人間関係にかかわるものは転職理由としては避けた方が無難かもしれません。
いかがでしょうか。今回は「転職理由」の伝え方についてお話しました。数値化して伝える・客観的な事実を伝える、など、相手に「自社でなら大丈夫そうだ」と思っていただけるよう伝えることを意識して、準備してみてくださいね。
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