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年末こそやるべき! なりたい自分に近づくためのキャリアの振り返り5つの観点

【漫画:も~】ヤメコミ! byマイナビ転職「基本的にはよ辞めたいと思っていた日々の話」 

1日があっという間に終わる。1週間があっという間に終わる。1カ月も、1年もあっという間に終わる。ということで、気が付いたら今年ももう終わり──、と時間の流れの早さを痛感している方も少なくないのでは。

だからこそ、自身のキャリアについて定期的振り返り、いまどのようなスキルや経験が身に付いているのか、今後どのように伸ばしていきたいのかと考え、戦略を立てていくことは重要です。

そこで、節目である年末に、自身のキャリアの振り返りをするなら、どういう視点で振り返りをすると良いでしょうか? 中長期のキャリアアップにつながるように、キャリアを考えていくにはどのような視点で考えればいいのか、キャリア・コンサルタントの林碧先生にお話を伺いました。

キャリアコンサルタント
林 碧(はやし みどり)
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。 企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生・保育園児の2児の母。


一年の終わりにご自身のキャリアを見返し、次の一年をより豊かに過ごせるようにしていきたいという思いを持っている方は多くいらっしゃるかもしれません。今回は中長期のキャリアアップにつなげることも意識した、年末の振返り方をお伝えしていきましょう。

■人生における「今年」はどんな一年なのでしょうか?

まず、最初に意識を向けていただきたいのは、今年は皆さんにとってどんな位置づけの一年だったのか、という部分です。

年始に今年はこんな年にしたい!と設定していた方は、どんな年だと位置づけていたのか思い出してみましょう。特段考えていなかったという方も、改めてそう聞かれたときにどんな言葉が浮かんでくるかを考えましょう。

着実に進める年?挑戦や飛躍の年?仕込みや種まきの年?それとも辛抱の年?あわせて、それはなぜか、という部分も整理してみると良いかもしれないですね。

その年の意味づけによっても、取り組みをどう評価するかは変わってきます。ワーク・ライフバランスの観点から見ても、辛抱の年である場合は、達成したものが少なくてもそれは良し、と評価できるのかもしれません。まずは評価の指標として今年の意味づけを見つめてみましょう。

■5つの観点について「今年の振り返り」と「来年に向けて」を検討しましょう。

そのうえで5つの観点から、自分の今年の成果と、来年度への繰り越しを整理していきましょう。5つの観点とは、「目標の達成状況」・「スキル/知識」・「仕事における成果」・「ネットワーキング」・「ライフにおける充実」です。

それぞれについて「今年できたこと」は何か、「来年に向けて積み残していること」は何かを確認していけるといいでしょう。それぞれについて、もう少し詳しくご説明します。
 
「目標の達成状況」:年初に立てた目標はありましたか?あった場合はどんな目標か、見返してください。目標のうち、「達成できたこと」と「今年達成することができず来年に持ち越しになっているもの」が、それぞれどんなことなのか確認していきましょう。

評価するにあたって、部分的には達成できたものも多くあるはずです。できたものも、持ち越したものも、細分化して細かく書くことが次年度の動きを検討するのに役に立ちます。特にできたことを細かく書くと、「自分の頑張りを自分で認めてあげる機会」となり、成長実感や自信を持つことにもつながっていきます。

目標を立てていない方も、今年できたことと持ち越したことを、まずは書き出してみましょう。その場合は大小問わず書き出してみてから、それを後で残りの4観点に分類しつつ整理・追記していくと進めやすいでしょう。難しく考えすぎず、リラックスしながら書き出してみてくださいね。

「スキル/知識」:続いて「スキル/知識」の観点です。今年、新たに身についたスキルはどんなスキルですか?あるいは身についた知識や技能はありますか?思いつくものを棚卸ししてみましょう。なお、習得においては「知る→わかる→できる」と段階を踏むため、どのフェーズまでたどり着いているのかも意識してみてください。

例えば「●●分野の仕事について、昨年度はAまで取り組んでいたのが、BやCについてもできるようになった。」「昨年度末は■■の業務は先輩に教えてもらっている段階だったが、今年はメイン担当として取り組むようになった」などという形です。こちらについてもできるだけ細分化して書き出します。

加えて、道半ばのものや、これから身につけたいものについても書き出しましょう。今、取り組んでいるものは、いつごろまでにどういう状態になっていると良さそうですか?今年やりたいと思いつつもできなかったものはありますか?思い当たるものを書き出しましょう。

「仕事における成果」:仕事における今年の成果についても確認していきます。今年の成果として成し遂げたといえることはありますか?あるいは周りから肯定的な、もしくは否定的なフィードバックを得たタイミングはありましたか?思い当たるものは書き出してみてください。

加えて来年に向けて、周囲から期待されていることや、自分として成し遂げたいことなども書き出しておくと良いでしょう。

「ネットワーキング」:人間関係や周囲とのつながりについても振り返っていきましょう。「広がり」と「深まり」の2軸で評価していきます。

新たに獲得した人間関係はありますか?新たなコミュニティに所属した、人間関係が広がる出来事があった、仕事の取引先が広がったなど、「広がり」が前年に比べたときに増えたのか減ったのか、広がった方向性はどんな方向性なのか、客観的に捉えます。

あわせて「深まり」は、元々持っている関係性も深め、その関係性は強固になったのか、薄まったのか、という観点です。こちらについても前年と比較してどうか、深まったのはどういう人たちで、薄くなったのはどういう関係性の人なのか、それぞれ評価してみましょう。

「ライフにおける充実」:キャリアというのは仕事だけではなく、人生全体の充実も大切なポイントです。ライフの観点、すなわち仕事以外の側面で見たときの変化についても確認をしましょう。

仕事外での変化はありましたか?変化の内容を確認しつつ、それを自分はポジティブ、ネガティブいずれの変化と見ているかも確認しておきたいです。全て書き出し、分類してみるのも良いですね。また、取り組みたかったけど取り組めていないこと、道半ばのこと、来年こそは成し遂げたいことなども書き出してみましょう。

■ライフイベントも見つめてみましょう

今年の棚卸しが終わったら、来年の目標を考える前に、中長期キャリアという視点で直近の未来を確認できると良いでしょう。ライフイベントを年表のような形で作成してみるのもおすすめです。

いずれはどんな状態になりたいなど、長期の目標はお持ちでしょうか?ある方はそれを踏まえて、この先5年10年20年と区切りつつ、逆算して目標を立てられると夢を実現できる可能性は高まります。

大きな目標が無い方も、今年を振り返った直後だと、普段より自分の理想や「もっとこんな日々を送りたい」という目標が思い浮かびやすいはず。思い浮かんだ夢や目標は、ぜひ書き残しておきましょう。

あわせてライフステージの変化についても併記しておくといいでしょう。結婚・転居などの見通しに加え、お子さんが居る方は進学・独立のタイミングなども意識しておくべきでしょう。若い方の忘れがちな観点として、親の年齢を考慮した介護等の必要性についても意識しておきたいところです。

■人生における「来年」はどんな一年にしたいのでしょうか?

これらを確認したうえで、改めて、来年はどういう位置づけの年としてくべきなのか、検討しましょう。今後5年間をざっくりどんな時期としたいのか考えたうえで、一言で言うならば来年はこんな位置づけの年、と設定してみましょう。

それが決まった上で、先ほどの5観点についても取り組み目標を検討します。積み残しの中で優先度が高いものを来年のビジョンとし、それ以外もいつ取り組むのかなど見通しをつけてみます。

具体的に来年の目標が立てられると、来年の同時期に振り返ったとき、達成/未達の検討が容易になってきます。振り返り用のノートなどを作成すると、自分の変化を蓄積できるのでおすすめいたします。毎年の振返りが、皆さんの豊かな未来につながることを願っています。


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