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SIer営業からSNSマーケターへ。転職と起業を経て見つけた、自分の人生を豊かにする方法|株式会社スパイスラック 田中誠也さん【後編】

デジタルマーケティング支援やプロデュース事業を行う、株式会社スパイスラックで代表取締役社長を務める田中誠也(たなかせいや)さん。

4年前に起業をした田中さんだが、もとは新卒で大手SIerで営業職として働きながら、社会人インターンや外部のコミュニティなどにも参加する忙しい毎日を送っていたと話す。その後ベンチャー企業へ転職し、マーケターへと転換した田中さんだが、その背景には一体どのような理由があったのだろうか。

今回は、株式会社スパイスラックが運営するハウススタジオ『shiro to muku』にお邪魔してインタビューを行った。田中さんのお話から「起業を決意した理由」や「好きなことを仕事にするヒント」などを伺った。


インプットからアウトプットは素早く。職種は変われど、大切なのは1人ひとりとして繋がれるコミュニケーション

大企業からベンチャー企業、そして営業からSNSマーケターへ。大きく異なる2社を経験した田中さんだが、スキルアップのために意識していたことや、異なる業種・職種間で見つけた共通項はあったのだろうか。

「転職したばかりの頃はひたすらマーケティングの本を読み漁っていましたし、インプットした知識はこまめにアウトプットすることを意識していました。

仕入れた知識をお客さまとのミーティングでアウトプットすると、知識が定着して自分もスキルアップできるし、お客さまにも還元できるので良い循環ができていたと感じていました。

トピカでは新規事業も経験しましたが、自分が立ち上げた事業でない分、自分ごと化しにくいという大変さもあって。そんな時は、なるべく手元のタスクではなく長期的な未来に目を向けるようにして、何かを成し遂げたと言える自分がいる未来を想像することで、最後までモチベーションを保てるようにも意識していましたね。

転職を機に営業からマーケターへと職種は変わりましたが、お客さまと関わるという点では共通しているので、どれだけ人と人との関係で付き合えるかを変わらず大切にしています。

特にSNSマーケティングは、撮影をしてコンテンツを作り、お客さまと定期的にミーティングをするという流れを繰り返していくので、長期的なお付き合いになることが多い。なのでなおさら会社と会社、社員と社員という関係ではなく、人と人という関係で繋がれるコミュニケーションを目指していました。

自分はインターンなどを通して新しく人と出会う機会も多くありましたが、出会うタイミングではその人が何をやってるかはあまり気にしていなくて。純粋に人として仲良くなって、友達になることが多かった。

相手の社名や肩書などのラベルを見てしまうと、互いに自分が見せたい人格で関係が築かれてしまう気がするので、仕事だとかプライベートだとかは考えず、どこかのコミュニティに「参加する」くらいの感覚でいるのが良いのかなと思っています」

自分の時間軸で生きるために起業を決意。念願の食の領域で、これまで培ってきたスキルを生かす

「そこから自分の会社を起業しようと思ったのは、社会人6年目のこと。当時はトピカでマネージャー職として採用や教育を担当していたのですが、自分でスパイスカレーを作ってイベントに出店したり、父親のドライフルーツ事業を手伝い始めたりと、会社に所属しながらだとできない仕事も増えてきたタイミングでした。

務めている会社の時間軸以外で動くには、自分の会社を作って自分で決めた時間軸で生きていくしかない。そう思って自分より少し前に起業した友人に相談してみたところ、会社を立ち上げた方が人生がより豊かになるイメージが持てたため、起業する決心がついたんです。

ただ自分はそこまでリスクを好むタイプでもないため、突然起業するのではなく、まずはトピカで自分が担当していたクライアントをそのまま業務委託の形で継続させてもらうことに。

これまでお付き合いのあったクライアントとの縁が途切れることもなく、着実に起業に向けて準備ができたのは運やタイミングの良さもあったなとは思います。

収入面で言えば、ようやく今では会社員時代の年収を超えることができました。これまで転職と起業を経験したわけですが、きっと『しゃがまないとジャンプはできない』ということなんでしょうね。

会社を立ち上げてから今年で4年目。僕の会社の主な事業内容は、前職から続けているデジタル領域のマーケティング事業と、食領域のプロデュース事業で、最近ではハウススタジオの運営も行っています。クライアントを食の領域に限定していますが、どのような企業においてもマーケティングは共通する課題だと思うので、これまで身に付けてきたスキルが今では十分に生かせていると感じますね。

トピカ時代から担当している企業の1つに調味料メーカーさんがあるのですが、起業後もお付き合いが継続できているのは、先ほどお話したように会社ではなく、人としての関係が構築できていたからなのかなと思っています。そのメーカーさんとは今ではCMを作ったり、駅広告を出したりもしていて、これまでやってきたことのない規模感の仕事を任せてもらえるのは、ほどよい緊張感がありワクワクします。

その道のプロフェッショナルと仕事をすることで得られる新しい気づきや、自分の世界が広がっていく感覚を得られる。起業したことで仕事の幅が広がりましたし、最近では初めて社員を雇ったりと、だんだんと会社らしくなってきて毎日がとても楽しいです」

生きるを、味わう。仕事が豊かになれば、自分の人生も豊かになる

「昔から料理は好きですが、仕事にしたいとは思わなかったんです。料理というのは『食』の領域なので、今は仕事を通して好きな『食』に広く繋がっている感覚で仕事をしています。“点”ではなく“面”で自分の好きなことに身を置ける場所を探すのが、仕事選びでのヒントになるのではないでしょうか。

あと、今は自分で会社をやっているので、仕事をする相手を選べるのはいいところかもしれません。自分の人生を、自分の軸で豊かに生きている感覚があるというか。プライベートで繋がった人と仕事ができて、仕事で繋がった人とプライベートで仲良くできているのは面白いですし、その大切な人たちに仕事を通して何か還元できるものがあればいいなとも思っています。

プライベートも仕事も、結局は人だから。良い人間関係を続けていくためには、何よりも誠実でいることが大切なのではないかなと思います」

最後に、田中さんにとって “仕事” とは何かを尋ねてみる。

「僕にとって仕事とは、人生そのものなんです。仕事が豊かになると、人生も豊かになる。最近、会社の企業理念を “生きるを、味わう -Taste the flavor of life.- ” というものに変えたんですよ。

豊かに生きるって、きっと人生で出会う1つひとつのことをちゃんと味わえるかどうかだと思うから。そのためにも、仕事を通して自分の感情や新しい価値観、人との出会いを味わっていけたらいいなと思っています」

会社や肩書きといったラベルを見るのではなく、目の前にいる1人の人に対して誠実に向き合い関係を築いていく。その小さな積み重ねが人と人との繋がりを固いものにし、さらには想像もできないような未来に導いてくれるのだと田中さんの姿が教えてくれた。

自分の人生をより豊かにするために転職し、さらには起業という選択をした田中さん。きっとこの先も、自分の人生を味わい尽くしていくのだろう。


株式会社スパイスラック 代表取締役社長 | 田中誠也
1992年生まれ。2015年、SIer企業に入社し、大学や医療のインフラシステム開発の営業職として従事。2019年にSNSマーケティングのスタートアップ企業に転職し、マーケティングプランナーとして大手食品メーカーを担当。2021年株式会社スパイスラックを創業し、食の領域を中心としたマーケティング支援事業や、犬と一緒に食べられる無添加ドライフルーツブランド「Papa DryFruits with Dog」、ハウススタジオ「shiro to muku」の運営を行う。スパイスカレーが大好きで、流しのカレー屋としても密かに活動している。
https://spice-rack.jp/

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