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会社員からフリーランスへ。PRの世界で活躍するための方法とは?|フリーランスPR 白井里奈さん【後編】

フリーランスPRとして国内外で幅広く活躍している白井里奈(しらいりな)さん。彼女はグローバルスポーツブランドのプレスルームで、数少ないPR担当者として働いていたが、 ある日突然“コロナ解雇” を言い渡されるという逆境を経験している。彼女はそんなまさかの事態をどうやって切り抜け、どのようにしてフリーランスPRとしてキャリアを歩むことができたのか。

今回は白井さんのお話を通して「PRパーソンとして心掛けていること」や「仕事の楽しみ方」、「フリーランスの良さ」などこの先のキャリアを築くうえでのさまざまなヒントを得たいと思う。


フリーランスのPRに転身。国内だけでなく海外のクライアントとも仕事をする日々

「フリーランスのPRになってから今年で5年目。今1番多い仕事は、日本国内のキャスティングのお仕事です。例えばクライアントが新商品を発売する際、いわゆるインフルエンサーやメディア、バイヤー の方々をお呼びして認知獲得や集客促進のお手伝いをすることが多いです。

最近では海外企業とのやり取りも増えているので、海外ブランドを日本で展開させるにあたり、PRだけでなく長い目で見た戦略フェーズからお手伝いすることもあります。

昨年は前職の案件でパリでの撮影に同行したのですが、ディレクションをメインとしながら、現地コーディネーターやフォトグラファーの手配、休憩等でスタッフが食事を楽しめるようケータリングの準備まで行ったりと、全体の進行を担当させていただきました。

パリの撮影にて。実際にモデルが入る撮影の前に、
光の当たり方や立ち位置を確認する“スタンドイン”を行っている様子

同じく海外企業の案件だと、世界中のホテルを集めた書籍を作る機会があったのですが、その時はホテルに5日間泊まり込みで撮影をしたんです。

部屋の撮影では、タオルの枚数からシーツのシワ1つまでチェックしてスタイリングしたり、撮影クルーとホテルスタッフとの間に入って通訳をしたり。人のいないエントランスやバーの写真を撮るため、朝4時半に集合して撮影する日もあったりと体力的にはかなりきつかったですが、初めてチャレンジできたことも多く、すごく良い経験ができたなと思います。

あえて自分の心地よい環境から外れ普段は身を置かない環境に飛び込んでみることで、成長はもちろん、『まだまだやれるな』という課題点への気づきも得られる。次に繋がる経験を得るためにも、やはりいつだってチャレンジは必要だと感じますね」

仕事以前にまずは良き友として。人と人との繋がりがPRという仕事でも生かされる

「フリーランスになったことの良さは、やはり多様なクライアントさんと自分の意思で仕事ができるということです。そもそもどんな仕事を誰とするかの決定権が自分にあり、仕事をする時間もフレキシブルに組むことができます。そのような自由さはフリーになって良かったと思うポイントですね。

一方、会社組織に守られていないので、全責任を自分で持たなくてはなりません。もちろん仕事量や収入面も常に変動するので、その不安定さに対して不安になるときも。でも『すべて自分次第でどうにでもなる』という感覚は逆に楽しくもあり、その意味でもやはり自分はフリーランスの働き方が合ってるんだろうなと思います」

フリーランスのPRとして着実に活動の幅を広げている白井さん。PRという仕事をするうえで、なにか心掛けていることはあるのだろうか。

「PRの仕事においては、直接 “その人” を知っているかどうかがすごく大切だと思います。私は昔から人と話すのが大好きだったので、毎日スケジュールをぎゅうぎゅうに詰め込んで、とにかくいろんな場所に顔を出し、人に会えるだけ会いに行くように心掛けていたんですよね。そうやってこれまで自然にやってきたことが、信じられないことに今は “人脈” という形で仕事に生かされている。

自分の場合はプライベートでのお付き合いの延長線上に仕事仲間としての関係があると思っているので、プライベートと仕事をあまり切り離して考えたことがありません。普段から仲の良い子には仕事もお願いしたいし、仕事で仲良くなった人とはプライベートでも会いたいと思っている。

人との繋がりがどんどんと広がっていく感覚が楽しいので、せっかくのご縁は無駄にしないよう、仕事上の連絡も友達とのたわいもない話も、なるべく丁寧で早いレスポンスをするように心掛けています。むしろ私が素敵だなと感じるPRパーソンは、皆さんすごく礼儀正しくてまめな方が多いように感じますね」

何があっても怖くない。“全部プライベート” の気持ちで1度きりの人生を楽しむ

「実はフリーランスになったことで、『自分ってこんなこともできたんだ!』と気づくことも多かったです。経験したことのない仕事にも挑戦してみたことで、自分の可能性が以前よりも広がった気がします。

”できない”を”できる”に変えていくには、まずは何でもやってみないと始まらない。それに挑戦してみることで、次第に自分の得意なことと苦手なことが分かってくるようにもなる。私はわざわざ自分の苦手を頑張る必要はないと思っていて、自分が得意なことでしっかりと守備範囲を固め、苦手なことはそれが得意な人にすぐ振れるようにしたいなと意識しています。実はここ最近法人化をして個人会社にしたので、よりその意識は強くなっているなと思いますね。

振り返ってみると、あの時の逆境のおかげですべてが始まったと捉えられるなって。 解雇されたのも『すべてはここに辿り着くためだったのね!』って今となっては思えます(笑)。だから人生って面白いですよね。

私にとって仕事とは、人生そのものをより豊かに楽しむためのもの。私は常に『この時間は2度と戻ってこない』と思っていて、明日死んでも大丈夫なように毎日を大切に生きていたい。そうやって生きているからこそ『何があっても怖くない』と思えるし、ちょっとのことじゃへこたれないマインドはあると思っています。

死んでしまったら何もできなくなるけど、生きてる今なら何だってできるじゃん!という思考でいるので、今のうちに美味しいものをたくさん食べて、いろんなところに行って、会いたい人に会いたい。

それらをすべて叶えるためには仕事をしてお金を稼がなくちゃいけないけど、その仕事がもし楽しめないとしたら、自分の大切な時間を使うのはもったいないじゃないですか。

だから私は生きているこの時間は『全部がプライベート』だと思うようにしている。ちゃんと楽しみながら仕事をして、その対価としてお金をいただいて、そのお金が自分の経験に変わっていくサイクルが好きなんです。なのでこれからも “誰かの時間” ではなく、全部 “自分の時間” だと思って人生を楽しんでいきたいですね」

そう言って白井さんは朗らかに笑う。その大きな笑顔はまるで太陽のように明るく、一緒にいるだけで心までも晴らしてくれるようだ。

人生を切り開くためには何よりもまず行動すること。そして逆境さえ楽しめる少しのユーモアが必要なのかもしれない。人と人との繋がりが、この先白井さんをどこまで運んでいくのかが楽しみだ。



フリーランスPR | 白井里奈さん
大手スポーツブランドのPRを3年担当したのちに独立。ファッション領域を中心に、飲食や美容、ホテルなどあらゆるジャンルの企業PRを担う。日本を拠点にしつつ、語学力を生活かして海外でのコーディネートやアテンド、セールスなども行っている。

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