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«後編»「幸せ」と「成功」ってなんだろう?僕が仕事を通して叶えたいこと|ACES 人事 濱田優也さん

東京大学松尾研究室発のAIスタートアップACES(エーシーズ)で人事を担当しながら、個人ではイラストレーターとして活動されている濱田優也(はまだゆうや)さん。

そんな濱田さんは、過去に2度の転職を経験。なんとファーストキャリアは大阪で銀行の営業だったという。一体彼は、どのような経緯で今の働き方に辿り着いたのだろう。濱田さんの生き方や働き方から「成長するために大切なこと」や「本業と副業の上手な両立方法」など、さまざまヒントを得たいと思う。

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さらなる成長を目指しスタートアップへ。優秀なメンバーの採用に挑戦する日々

「昨年11月、今度はAIスタートアップの株式会社ACESに人事職として転職し、エンジニアなどの採用を担当しています。東大の松尾研という、AIの機械学習の領域で権威のある研究室から生まれた企業で、役員も社員もみな優秀な人たちばかり。自社の採用基準は自分の知っている限りでも非常に高く、社員の人たちと一緒に事業を切り拓いてくれる採用候補者をどのように探すかも課題のひとつです。

人事としてどれだけ自分の価値を発揮できるか奮闘する日々ですが、AIという先進的な領域に関われる今の環境はやりがいが大きく、この先の自分のキャリアを作る上でも貴重な経験ができているのは間違いありません。

僕の経験上、1番早く成長できる方法はレベルの高い環境に自分の身を放り込むことだと思っていて。そうすることで自分にとっての“当たり前”の基準が高くなり、その基準の中で頑張った結果、早く成長することができると思っています。

だからもし目指したい自分がイメージできたなら、それに向かってまずは環境を変えてみるのが良いかもしれませんね」

なりたい自分になるために、まずは環境を変えること。そう語る濱田さんは、現在ACESで苦手意識のあった論理的に考える力を強化している最中だと言います。

「人事という仕事は、ロジックと感情の両方をうまく使いこなす必要があるので奥深くてとても面白い。ロジックだけだと人の心は動かないし、感情だけだと説得力に欠けます。

ただ、やはり最後は感情の方が大切で、目の前にいる採用候補者に対して、どれだけ真っ直ぐ、粘り強く向き合えるかが重要だと思っています。自分が良いと思って働いている会社だからこそ、優秀な人に入社を決めてもらえるのは嬉しいですし、その人が入社後に活躍しているのを見るのはもっと嬉しい。採用を通して会社や事業を一緒に成長させることができるのは人事ならではのやりがいですね」

「頑張る」も「頑張らない」も自分でコントロール

人事として働きながら、イラストレーターとしても精力的に活動されている濱田さん。4年前、転勤と共に大阪から東京に活動の拠点を移した際に、イラストレーターとしての活動の場を広げるべく、まず始めにやったことがあるという。

「一緒にお仕事をしたいと思ったカフェに片っ端から連絡しました。その中で唯一返信をくださったのが、今僕たちがいるここ『YELLOW CAFE』さん。東京で最初に似顔絵イベントをさせていただいた場所であり、あれから4年経った今でも通い続けている大切なお店です。『東京でも良いと思ってくれる人はいるんだ』と思えた、僕の人生の転機とも言える場所ですね。

さらに1年後には渋谷にあるセレクトショップ、FREAK'S STOREさんで1週間に500人以上の似顔絵を描くという経験もさせてもらいました。腕がちぎれるくらい頑張ったあの日をきっかけに、アパレルの仕事も増えて、同時にイラストレーターとして東京でやっていく自信もついた気がします。

最近の変化としては、仕事とプライベートの時間を明確に切り替えるようになったということ。自分が今どの立ち位置にいるかを確認するためにも、映画や本などインプットの時間を意識的に作るようにしています。ただ前提として、会社員もイラストレーターも、自分で選んだ道なら言い訳しないでやりきると決めているので、その上での長期的なキャリアのゴールを設定しています。

あと、本業も副業もどちらも全力で頑張りたいけど難しい時もあるから、フェーズごとに自分が持てるリソースの配分を緩やかに変えていくことが、長く活動し続けるためには大事なポイントなのかなと。自分で『頑張る』を決められるなら、同じく『休む』も決められるので、時には立ち止まって休息することも大切だと思います」

思い出の地である世田谷区代沢の『YELLOW CAFE』さんにて

必要なのは「幸せ」と「成功」の2つの視点

本業と副業。そうやってどちらかがメインだと捉えすぎなくてもいいのかもしれないと、ここまで濱田さんの話を聞いて感じた。そんな濱田さんにとって、“仕事”で大切にしている価値観とはなんだろうか。

「誰かを幸せにすることです。何度も言いたいですが、人事としてもイラストレーターとしても、僕はその人の人生の転機に関わることをすごく大事にしていて、その転機に携われることが僕の仕事のやりがいであり幸せだと思っています。

そもそも幸せって他人と比べられるものではありません。僕は『幸せ』と『成功』は別のものだと分けて考えていて、僕は人生のモットーに掲げた「自分の人生を自分の意思で決めて生きること」「自分の大切な人をちゃんと愛すること」の2つができていれば『幸せ』だと思っています。でもそれだけだと自分の可能性が限られてしまうかもしれないから、時には『成功』も意識して頑張ってみる。その両方のバランスが大事だと思うんです。

イラストレーターの仕事でいうなら、今僕は“似顔絵屋さん”として多くの方に認知してもらえるよう意識して活動しています。自分の強みを知って強化したり、差別化するという意味では他者と客観的な比較も必要です。

忘れてはならないのは、あくまでも『成功』は目標を設定できる事柄に対してのみ使える言葉であるということ。だって『幸せ』は人それぞれで、そこに優劣なんてものはないんだから。自分の目標に向かって努力しながら、定期的に自分の幸せの基準に立ち戻る。その繰り返しが大切なんだと思います」

“Live Your Life,with your love.”
自分の人生を自分で決めて生きること。そして、自分の大切な人をちゃんと愛すること。濱田さんの生き方はまさにこの哲学が反映されたものであり、きっとこの先も揺らぐことはないだろう。

私たちも「幸せ」と「成功」という2つの視点を得るために、一度自分にとっての“幸せの基準”を考えてみるのも良いかもしれない。

株式会社ACES 人事/イラストレーター|濱田優也
新卒で銀行に入社したのち、テクノロジー教育事業を行う株式会社divに転職し採用や人材紹介などのHR領域の業務に従事。2022年より現職の株式会社ACESにジョインしHRとして人事領域を担当。会社員の傍ら2018年よりイラストレーターとして活動し、似顔絵のPOPUPをアパレルショップやカフェとコラボし開催するほか、雑誌や商品パッケージのイラスト制作など幅広く活動中。

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