【前編】仕事は1人ではできないから。目の前の人を思いやり、共に新しい価値を生み出したい|スポーツアパレルブランド・AKTR 温伯賢さん
“バスケットボールを楽しむすべての人たちのために”という想いを出発点に、日本で生まれたスポーツアパレルブランド「AKTR(アクター)」。
アパレルブランドでありながらその活動はウェア制作に留まらず、カフェやコミュニティ、イベントといったさまざまなプロジェクトを通して、バスケットボールが持つ世界観や精神性までも広く伝え続けている。
今回はAKTRを運営する千日商店株式会社で、ECサイトやSNSの運用、さらには店舗ディレクションやマネジメント業務を担当している温伯賢(おんはくけん)さんにお話を伺い、仕事のやりがいや向き合い方、人生の目標などについて尋ねてみた。
目の前の相手に真摯に向き合う彼の姿からは、「自分に合う仕事の選び方」や「仕事をする上で大切にすべきこと」など、より自分らしく働くためのヒントが得られるに違いない。
作りたかったのは「ショップ」ではなく、人が集う「コミュニティ」
「AKTRはもともと関西発祥のブランドなので、事業拡大のためには東京進出が大きな課題でした」
現在では大阪と東京の駒沢(世田谷区)に店舗を構えるAKTR。しかし、東京での店舗立ち上げのタイミングでは、大阪との地域性の違いから、どちらに転ぶかわからない不安があったという。
「東京の駒沢に出店したのには、ある理由があります。売上のことだけを考えれば、人口の多い渋谷や原宿に出したほうがよかったのかもしれませんが、“ただ物を売るだけのアパレルショップ”にはしたくなかった。
僕たちは、駒沢店をみんなが集まれる“コミュニティ”として認知してもらいたかったんです。スポーツにゆかりのある駒沢ではそれができると感じました。
今までに、バスケットボールでパブリックビューイングを実施したり、ヨガやランニングなどに関するイベントを行ったり、地域の方々やスポーツ好きが集うコミュニティ作りに力を入れてきました。
ショップにカフェを併設することで、普段バスケットボールをしない人でも気軽に利用できる空間にもなっています。そうやって生まれたコミュニティのなかでなら、直接お客様とコミュニケーションを取ることができますし、その声をさらに新規のプロダクト開発に生かすことができる。
現在、僕の主な仕事は、ECサイトの運営やSNS運用、店舗ディレクションやマネジメントをすることですが、やはり現場に出て直接お客様とお話しているときが一番楽しいですね。ファーストキャリアを飲食でスタートさせたのも、第一線で人と関わる仕事がしたかったから。
以前勤めていた飲食やファッションアパレルの現場でも、お客様との対面でのコミュニケーションにやりがいを感じていましたし、そこで培った接客スキルや人と触れ合うことのポジティブなイメージは、今の仕事にも生きていると思います」
“何”を扱うかではなく、“誰”と一緒に仕事をするかを大切にした転職活動
「最初に勤めた飲食の会社では、横浜赤レンガ倉庫の店舗からスタートし、その後社員になったタイミングでサブマネージャーとして新宿へ異動。さらに中目黒でマネージャーも経験しました。
どこも忙しい店舗ではありましたが、その中でも毎日楽しく働けていたのは、本当に良いチームに恵まれていたおかげだからだと思います。
飲食店で働き始めてから5年。今度は同じ接客でも違う業種に行ってみたいという思いでアパレルに転職しました。ファッションにはもともと興味がありましたが、もっと言えば僕は人の生活に関わる衣食住そのものに興味があって。
「食事」と「衣服」で違いはあれど、サービスを通してお客様の『ライフスタイルをより良くする』ことが、何よりも僕がやりたいことで、やりがいだったんです。
そのため、転職活動も“何”を扱うかではなく、“誰”と仕事をやりたいかを最終的な判断基準にしていました。面接の1時間のなかでも『この人とこういう仕事ができたらいいな』と働くイメージが自然にできることを重視していたと思います。
僕にとって人のライフスタイル向上のために一緒に働く人がどんな人か、そこを大切に考えていたんです」
互いに心地よく、成長できる仕事がしたい
「飲食からアパレルに変わりましたが、共通して役立っているスキルとしては、まず第一にコミュニケーション能力。そして人間関係を調整する上でのバランス感覚も大切だなと感じます。
お客様でも会社の仲間でも、常に相手の『心地よさ』を意識して行動を変えます。フォーマットで会話をするのではなく、その時の状況や相手に合わせて言葉の選び方を変えてみたり、対面なのかテキストで残すのか、相手の性格や特性に合わせて伝えるツールを変えてみたり。全員同じ対応ではなく、1人の人としてコミュニケーションを取るように意識しています。
仕事というのは決して1人ではできなくて、2人以上で共に新しい価値を生み出していくことだから、自分が一番得をするのではなく、どうやったら相手にも価値を感じてもらえるかを考えています。違うポジションにいながらも、互いに成長できるのが理想ですね」
■Part2はこちら!
==
■アパレル・ファッションに関する仕事
https://tenshoku.mynavi.jp/ft/fashion/?src=note
■スポーツに関連する仕事
https://tenshoku.mynavi.jp/sp/kw1707158/?src=note
■WEBショップ・ECサイト運営の仕事
https://tenshoku.mynavi.jp/ft/ec/?src=note
==
■ほかの「ストーリー」を見る