【後編】1人では何もできないからこそ、仕事を通して人と繋がりたい|スポーツアパレルブランド・AKTR 温伯賢さん
“バスケットボールを楽しむすべての人たちのために”という想いを出発点に、日本で生まれたスポーツアパレルブランド「AKTR(アクター)」。
アパレルブランドでありながらその活動はウェア制作に留まらず、カフェやコミュニティ、イベントといったさまざまなプロジェクトを通して、バスケットボールが持つ世界観や精神性までも広く伝え続けている。
AKTRを運営する千日商店株式会社で、ECサイトやSNSの運用、さらには店舗ディレクションやマネジメント業務を担当している温伯賢(おんはくけん)さんに「忙しいなかでのオンオフのつけ方」「自身にとっての転職とはどういうものか」などを伺った。「自分にとって仕事とは」と悩んでいる人に少しでもヒントになれば嬉しい。
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新しいことにチャレンジし続けたい
アパレル企業を経験した後、今のスポーツアパレルブランド「AKTR」、コーヒースタンド「SPORTY COFFEE」の運営に携わることになった温さん。
「AKTRはクラシックなスポーツアパレルではないため、逆にさまざまなことに対して寛容さと柔軟さのあるブランドです。会社としてもずっと同じことを続けるよりも、新しいことにどんどんチャレンジしていく文化があります。
飲食時代に比べると、大変コンパクトな組織であるため、任される役割も多く仕事の比重も大きくなりました。SNS運用でも店舗のディレクションなど、どんなことでも自分の意思や考えを持って指示をしないといけないため、正直転職したばかりの頃は、考えをまとめたり業務を自ら推進するのが難しく感じることも。
ですが、経験を積むことで視野が広がり、仕事に対する考え方も大きくレベルアップできたと感じています。今後も多くの人に愛されるブランドやコミュニティづくりのために、新しい挑戦を続けていけたら嬉しいです」
転職を経て、趣味が仕事になる
「昔からバスケが好きで、学生時代までずっとバスケ中心の生活を過ごしていました。就職をきっかけに離れてしまいましたが、今またこうやって仕事で直接的にバスケに関われていて毎日がとても楽しいです」
転職を経て、趣味と仕事が一緒になった今、ワークライフバランスはどのようにとっているのだろうか。
「今でも頻繁にバスケはプレイしますが、プライベート兼仕事という感じで、仕事で出合った人を誘ってバスケをするし、バスケで出合った人とそのあと仕事をする機会も多いですね。今の生活ではプライベートと仕事が明確に分かれていないのですが、プライベートで良いと思ったものを、仕事として昇華できたらいいなと思って意識して過ごしています。
飲食の仕事も変わらず好きなので、最近ではAKTRの仕事とは別に、趣味でバーの営業を始めました。自分の好きなことをやっているという意味ではプライベートの時間ですが、その場での出合いが他の仕事に繋がったりもするので、本当のプライベートの時間って意外と少ないです。気持ちをリセットするために、たまに無になる時間を作るようにしています。
例えば、僕の場合だと1人でジムに行き、周りからの情報をできるだけ遮断した状態でひたすら走る。
ずっと考え続けるより、すこし隙間を作った方が新しいアイデアは生まれやすいですし、ずっと考えこんでいた案件も、客観的に見られるようになる。その後のパフォーマンスを上げるためにも、一度思考を止めて、何も考えない時間を挟むことが実は大切なのかもしれません」
一生誰かと関わり続けていくために
「30代に入ってからは特に、自分1人では何もできないと思うようになりました」と話す温さん。そう思いながら、新しい環境に飛び込んでいくのはなぜだろうか。
「何もできないからこそ転職したいと思ったんです。まっさらな状態で飛び込めば、きっと得るものも大きいし、どこにいても何か自分にできることがあって、必要とされる場面があるんじゃないかと思っていました。そして新しい環境に入ることで、それまでの環境では気づかなかった自分の得意にも、もしかしたら気づけるかもしれません。
できることをやりながら、自分に足りないものを吸収していく。そのような感覚で僕は転職してきました。だから、転職ってすごくポジティブなものな気がします。
僕にとっての仕事って『1人でいなくていい理由』なんです。自分1人ではできることは少ない。でも多くの人と関わることで、できることが増えると思うんです。
ちなみに、僕の最終目標は、友人との繋がりを生かして毎日を豊かにすること。例えば、プライベートで食事をする時には友人のお店を利用したいですし、仕事でも友人と一緒に同じプロジェクトができたらいいなって。
そしてそれと同じ感覚で、友人からも自分のことを求めてもらえるようになりたい。『1人では何もできない』と感じたからこそ、人との繋がりをこれからも大切にしていきたいと思っています」
仕事も生活も、自分1人では決してできないことだから。そう思えた時、人は向き合える相手がいることのありがたさに気づく。その相手を大切に思う気持ちから、心地よいコミュニケーションというものは生まれてくるのだろう。
「僕は寂しがりだから、誰かと一緒にいたいんです」と、照れくさそうに笑う温さん。きっと彼はこれから先も、謙虚で素直な姿勢を忘れず、目の前にいる人を思いやって生きていくのだろう。
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